なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

いま、あちら。

音楽は時間と空間。
音は空気を震わせて伝わっていく波。
目の前の楽器(や声)の鳴る音が、空気を震わせて、わたしの耳に伝わってくるもの。
空気の波だから、実際は、音は耳だけじゃなくて、身体ぜんぶで感じている。
耳で聞こえない音も身体は聴いて感じてる。
波だからこそ。

録音技術が発明されて、どんどん技術開発、発展して、その場じゃなくても音楽を楽しめる。現代の音楽は、時間も空間も超越してる。それはそれで、すごくて、ゆたかなことなんだけど。

今、まさに「ライブ」配信まっさかり‥なんだけど、それは「ライブ live」なのか?

テレビの音楽番組を見てると、音と口の動きがあってないのなんてざらで、わたしは、いわゆる「口ぱく」に興ざめするタチなんだけれど、さて、電気を通した段階で、それがその場でその人から発せられているものなのかどうかが、もう、怪しいだらけで。
いや、それでも、上手なのもあるし、そういうものだと楽しめたりもするのだけれど。

でもやっぱり、その人が「いま、ここ」で発してる音の波を感じたい。

アイドルのおっかけをしている同僚の人が、年間コンサートが中止になって、ネット配信なんかもされてるんだけれど、「ぜんっぜん違う、あれは違うの」と、すごくしょんぼりしていて。それってよくわかる。

なんていうか、「いま、ここ」じゃなく、「いま、あちら」になっちゃうのよねぇ。

いま、を共有することができたとしても、やっぱり、ここ、じゃない。

空間を超えて、今を共有することができる技術はすごいと思う。テレビ電話なんて未来の話だったし、アレクサとか、ロボットとか、AIとか、SFの中の話だったことが、ひたひたといつの間にか普通に身近になってる。

これからは、「いま、ここ」っていうのが、ものすごい贅沢になってくるのかもしれない。


スローライフランキング