なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

「あがり」と「パニック症状」

人前で何かするときに「あがる」現象。
音楽やってるとぶちあたる壁です。
ものごころつくころからピアノの発表会があって、いつもドキドキ。一緒に習ってた子はずーっと泣いて、泣いて泣いて、真っ赤に泣きはらした目で弾いてた。
わたしは泣くまではいかないまでも、やっぱりドキドキ。このドキドキには残念ながらわくわくが含まれていない。舞台袖の天井が見えないぐらい高くて暗い空間で、ひっそりと順番を待つときのドキドキ。そのころの記憶には、楽しい感じが全然ないの。

ピアノはまだドキドキをクリアするだけでよかったのだけど、フルートとなると、ハードルがいくつもやってきたのですよ。まず、手指が冷たいから楽器がぬくもらずに鳴らない、息が吸えない(吐けてないから吸えない)からブレスをとっても息が続かない、音が鳴らない、唇が震えだして止まらなくて、楽器が唇にあたらなくて、音が震えっぱなし、へんなビブラートにかすっかすな音‥あぁ、もう悪夢です。こういった「あがり」症状は数をこなすことでクリアしていきました。今もちょっと緊張はするけど、こういった「あがり」症状がでることはもうないかな。

たぶんね、そこに立つと得も言われぬ楽しい感覚がある、てことを知れば、収まっていくものです。レッスンでそういう訓練もあればいいのにね。なんていうか、苦難にうちかつ訓練っていうより、舞台は楽しいっていう経験とすりこみ。

ピアノの森」というまんがで、女の子が舞台の前にトイレから出られなくなるという設定があって、その解決策が「ピアノの椅子はトイレの便座だと思う」というもの(笑。そりゃないやろ、と笑っちまいました。トイレってのはね、そこに居る限り人前に出られない状況で、それが舞台にでなくてもいい、につながるのですよ。体がね、それを知ってて、そういう体調になるの。トイレの便座だからどうっていうもんじゃない。

「あがり」とは別に「パニック症状」というのがあります。
わたくし、若かりし頃、ものっすごくときどき、これを発症しています。その症状が「パニック」にあたるんだってのを知ったのは大人になってから。ま、身体的に三半規管がたぶん弱くて、幼児のころから公園のブランコに乗っても、ジェットコースターの降下感覚がやってくるのですよ。あの胃がふわっとうきあがるようなイヤな感じ。そのいやぁな感じが車とかバスとか電車に乗ってるときにも起こることがあって、冷や汗っていうか脂汗がでる、あれ。胃がふわっとあがって、ものすごい恐怖感でいっぱいになる。やばいって思ったら途中下車して座り込んでた。最近はおさまってて、ありがたいことに。ほとんど起きません。
これはね、やばそうなときに効果のある呼吸法を自分で発見してます。

まず、息を吐く。肺がぺちゃんこになるくらい。
そのあと、鼻からいっぱい息を吸う。
そして、その息を、できるだけ細く、長く、口から「すーーーっ」という感じで吐き続ける。もう胃がどきどきして、すぐにでも息を吸いたいんだけど、ぐっと我慢して「すーーーっ」と吐き続ける(フルートやってるので30秒ぐらいは吐き続けられる)。
で、これも肺がぺちゃんこになるぐらい吐ききって、そのあと、ばっと息をいっぱい吸う。そしてまた「すーーーーーっ」と細く長く吐く。

これ、パニック症状がおきてるときにするの、むっちゃ苦しいんですけど、これを5回ぐらい繰り返すと、胃の浮き立つ感じが収まってくるんです。
自分療法なので、ほかの方に有効かどうかわかりませんが‥

ただ、これは「あがり」にはきかないの。そこは楽しくて仕方ないところ、ていうのがわかれば、あがってなんていられないでしょうけどねぇ。いや、でもちょっとはあがりますよ? あがり、というか緊張感ないのも集中できなくて、それはそれでまずいのです。

どちらにしろ、多少の緩急は必要なんだろうなと思う。


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