なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

時間を守る?

読み散らかしている本のなかで「日本人はむっちゃルーズやった」という記述を見つけて、気になったので、「遅刻の誕生 編:橋本毅彦 栗山茂久」を読みました。何人かの先生が分担して原稿を書いた形式で、これも論文ちっくな1冊でした。こう、自分が知りたいと思う路線から微妙にずれているというか‥あれ、わたしは何が知りたいんだ?

さてさて、幕末(1857年)から日本の近代化のために雇用され来日した外国人技術者に共通の悩みとして、現場や建設現場で日本人労働者の時間を守らないこと、まるで時計の時間とは無関係に物事が進行する日本人の仕事ぶり、とあって、ふむふむ、と読み進めると、日本がどうやって時間を守るようになってきたのかが、くわしく書かれていました。

江戸時代までは日常は「不定時法」といって、日の出と日没それぞれの間を昼間、夜間として等分してて、「あけ六つ」とか「暮れ六つ」とかっていう呼び方。これはドラマで耳馴染みありますよね。大体2時間ぐらいを一刻として区切られている時間。庶民の暮らしに、もちろん時計なんてなくて、お城の太鼓とか、お寺の鐘とかで暮らしてた。

それが、鉄道導入の明治5年(1872)に、運行表を作成するのに「定時法(今の24時間)」が導入されたのがきっかけで、どんどん時間厳守に社会が変わっていったことが詳しく書かれていました。国鉄の労働者のこととか、工場勤務(製糸工場とか)の事例とか。で、世界大戦時の軍の影響とか、教育とか。

わたしの頭にはチャップリンの映画と、ペリーヌ物語も工場の機械の導入や、朝5時に工場が始まるとかっていう設定だったなぁというのが浮かびました。

日本がうまぁく時間管理ができる状況にのっていったのはよくわかったのだけれど、で、その時間とは無関係に進行する仕事っぷりっとか、暮らしっぷりってどんなの?という私の興味欲は、残念ながら置いてけぼりとなりました。

みをつくし料理帖 著:高田郁」に、わりと江戸の暮らしの時間とのかかわりとか詳しく書かれてますよね。そういえば、みをつくしは年末(2019)に続編ドラマの放映が決まったようで楽しみです。あと、読んだご本では、「五輪の薔薇 著:チャールズ パリサー」には19世紀初頭の英国を舞台にして、お屋敷の奉公人の暮らしとかが 結構なまなましく描写されてて印象に残ってるし、イギリスのお話だったらコミックの「エマ 著:森薫」もある。うろうろしてたら、またおもしろいお話にでくわすかな。


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