なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

【読了】心に折り合いをつけて うまいことやる習慣 著:中村恒子

2018年6月に第1刷、2018年10月に第8刷というご本。
著者は当時89歳・・・今2023年だから・・・94歳?! ご本人は戦争中の16歳のときに倉敷から大阪へ、医師の道へ進まれて、奈良の信貴山近くの精神病院で勤務。今も現役の女医さん。

心に折り合いをつけて うまいことやる習慣 著:中村恒子 聞き書き:奥田弘美

聞き書きなので、文章は関西弁で、するする~と読みやすかったです。

時間が余ると、人間ろくなことを考えませんのや。気にしないでええことまで気になってくる。

てことで、考えてもどうにもならない、先のこととかを不安に思うんやったら、目の前のことを片付けて忙しくしてるほうがいい、とか。

そもそも悩んでるときは、1のことを10にも20にも大げさに考えていることが多いんですわ

たしかに。

そんなに大げさに考えず、喜びがあれば素直に喜んで楽しんだらええし、やらなければいけないことができたならば「しゃあない」と割り切ってたんたんとやる。人生、その繰り返しと違いますか? こうあらねばならない、と思っていることのほとんどは、「そんなことないんちゃう?」と軽ーく考えてみてください。

ぐるぐると考えて不安になって、ひとりで取り越し苦労みたいになってることがほとんどなので「そないに心配してもしゃーないで」はいいかも。
心配なことはたくさんあるけれど、

人は人。違う人生を生きてるもんや、ということを忘れてはいかんということです。結局自分は一人なんやと開き直っていくと、他人さんに対して必要以上に執着しなくなってきます。そしたら、不思議なことに、身軽に動きやすくなってくるんですわ。余計なことに縛られることがなく、自分のしたいように、自分の「素」のままに生きることが怖くなくなってきます。

この「他人さん」てのは、自分以外の人、てことだと思う。親であれ、子であれ、パートナーであれ。自分じゃない。藤井風の「帰ろう」のMVが思い浮かびます。

大事な人にしんどい思いをさせたくない、つらい思いをさせたくない、と不安になるのも、執着のひとつかもしれない。

で、自分の「素」がどんなものなんかをわかってるのが大事で。

そもそも自信があるから悩まない、ということでもない。人生には流れというもんがある。うまくいってるとき、うまくいかんとき。たゆたっていくもん。大事なことは、自信をつけることよりも、自分の性格だったり好き嫌いだったりをちゃんと把握しておくこと。

万事が理想どおりにいくことはないんやとあきらめて、「では、それなりにうまくやっていくにはどうすればええんやろうか?」と切り替えたもん勝ち

自分に必要なものは何か。これを追求していくことが、自分は自分、他人は他人を実践していくヒント

人と比べるのではなく、自分が必要とするもの。暮らしていけるだけの収入、やりがいどうのではなく生きていくための収入を得るための仕事、見栄えのするものとかではない「今食べたいもの」、旅に行こうが行くまいが非日常を楽しめる時間と場所とか、損得の人間関係ではなく一緒にいて楽しい人たちとか、上手下手ではなく自分が楽しめるものとか・・・

「これが自分の人生や」と、ひとつ覚悟を決めてください。
結局、人は「自分らしく」しか生きられないんですわ。

さらっと読めてしまうけれど、奥が深いご本です。


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