なんか軽い読み物・・・と手にとったのだけれど、けっこう経営指南書っぽかった。
平成の50代のおやじがリストラされて、その夜にお稲荷さんの鳥居に立小便してばちがあたったのか、江戸時代にタイムスリップしちゃうというストーリー。おぉ、転生(?)ものっぽい、おもしろそう、と冒険活劇、おっさんの奮闘活躍、倍返しみたいな復活劇なんかもあるかしらねぇ、と読み始めたら。
蔦重って江戸時代に実在した有名な起業家なんですね。もしやと調べたら、TSUTAYAはこの蔦重にちなんだ名前だそうだけれど、別に一族というわけではない・・らしい・・なぁんだ。
へぇ~、ふーん、ほぉ~、と逸話がいっぱい。現代の経営関係のご本に書いてあるようなあれやこれやも盛り込まれていて・・鶏が先か卵が先か・・どっちがどっちなのかわからないけれど・・・上手にお話しになってました。
吉原のお話は「みをつくし」とか、江戸のことは杉浦日向子著の「一日江戸人」とかで読んだことを思い出しながら、経営指南的なところはさらっと読んで、暮らしぶりとかストーリーをメインに、ほんとの暮らしや、ほんとのところはどんなだったのかなぁ、と思いを馳せて。今とくらべると超スローライフのミニマル、シンプルな暮らしだったろうし、電気がなくても、商売があって、貧富の差もあって、人の営みはそう変わらないだろうし、どんな工夫で、どんなことを楽しんで暮らしていたのかなぁ。
時代をとんで頑張るおっさんのお話、おもしろかったです。