なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

あなた と わたし

「技法以前 著:向谷地生良」を行きつ戻りつ読んでいます。統合失調症をかかえる人たちとのかかわり方を軸に書かれているのですけど、普段の日常でも役立つようなことがいろいろと書かれていて面白いのです。

統合失調症とは、妄想とか幻聴とかが生じて、現実とのつながりがうまくいかなくなる症状です。その、妄想のひとつの例として、あなたとわたしが反転する例が書かれていてわかりやすかったの。「自分」がいつも「相手」になってしまう。

自分が食べたい
 →まわりの人が食べたがっている気がする
自分の体調が悪い
 →〇〇さんがつらそうと感じる
自分が話したい
 →〇〇さんが話したそうにしている
自分が眠い
 →〇〇さんが眠たそう
自分が緊張
 →相手が緊張している感じを受ける
自分が苦手な人といる
 →相手に嫌われてる感じがする
自分がこわいと思う
 →相手がこわがっている感じがする
自分が好意を持つとき
 →相手に好かれている気がする  (~技法以前 より)

自分が好き(気になっている)のに「彼が自分のことを好きみたい」と話すクラスメイトは往々にして存在していたし、苦手と感じる人から「嫌われている」と思うのもよくある。そういうのって、実はほとんど妄想だったのかと、可笑しくなりました。("おかしい"という漢字が"可笑しい"っていうのも‥笑)

たしかに、他人の考え方とか感じ方って、おもんばかることはできても、知ることってほぼできないですからねぇ。で、人には「共感」という機能も配備されているのですよ。他人の考えや気持ちをそのまま知ることはできなくても、同じように感じることは可能なのかなぁとも。涙を流している人をみると、もらい泣きしてしまうし、腹立たしいことに遭遇しているのをみると、一緒に腹を立ててみたり。ミラーニューロンなるものが脳内にはあるらしく、あくびしてる人をみると自分もあくびがでたり。ステージにたってる人が没頭して演じていれば、観客も没頭できるのも、これかなぁ。演者がしらけてると、観客だってしらけちゃいますもんねぇ。

あなた と わたし は違う。

わかりきっていることなのに、どこかで混同していって、言わなくてわかってくれないことにストレスを感じたり、同じようにしてほしいのに してもらえなくて苛立ちを感じたり。

ひとはひと、自分は自分。
あ、「よそはよそ、うちはうち」とよく言われてましたね、子供のころ(笑)

 

 


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