なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

読了 わたしの良い子  著: 寺地 はるな

わたしの良い子 著:寺地 はるな  を読みました。

ストーリーは30代の独身女子の主人公が、妹の息子(甥っ子)を育てるお話。
設定も荒唐無稽じゃなくしっかりしてて、登場人物のキャラクターも愛嬌があって、面白かった。

海のほうを向くと、潮まじりのすこしべたつく風がふいて、前髪を揺らす。わたしにつられたのか、朔も顔をあげる。朝の光の中で見る朔の瞳の美しさに息を呑む。白目の濁りのなさに、瞳孔の周辺に散った虹彩の色の明るさに。生まれてから十年も経っていない人間は、身体のパーツがいまだ新品同様で、いちいち驚いてしまう。

いいなぁ、ぴちぴちぷるぷる。

生きてほしい。勉強ができたほうがいいとか、周りとうまくやってほしいとか、朔に願うことは山ほどあるけれども、その根源をつきつめると、結局そこに辿りつくのだった。わたしは、朔に生きてほしい。「良い子」じゃなくたっていい。ただこの世界を生き延びてほしい。ただ、それだけ。

たしかに、学校を卒業して、働いて。。。「生きる」てことよね。

で、クリスマスに、こりゃいいな、て考え方。

サンタクロースっていうのは人名じゃなくて、大好きな人にプレゼントをあげることとか、そうしたい気持ちのことを言うんだよ。・・あのね、だれかにプレゼントをあげたい気持ちや、あげる行為を総省して「サンタクロース」なんだよ。だから、プレゼントをあげて誰かを喜ばせたいって思う人は、みんなサンタクロースなんだよ。だから、わたしもサンタクロースなの。朔と一緒に暮らすようになって、だから、サンタクロースになれたの。・・おれもサンタクロースになれるかな。・・・なれるよ、もちろん。

がまんしなさい・・誰の悪口もいわない、愚痴もいわない、そんな大人でも難しいことを、生まれて10年にも満たない子供にさせようとした。良い子はひとの悪口をいいません、なんて、とてもひどいことだ。誰かのこと、嫌いって言ってもいい、家では。好きなだけ言ってもいい。守るべきものの優先順位を間違えないこと。もういちど、強く思う。

躾ではあるんだけれど、良い子ほど、つらいわね。がんじがらめになっちゃう。わが身として考えて、少しずつほどいて、のらくらとやっていけるといいなぁと思う。

 


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