なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

心にもないことを言葉にできる?

【読了】雲を紡ぐ 著:伊吹有喜

なでしこ物語が読みやすかったので、ここのところ、この作家さんの本を読んでます。するする~と読めるストーリー性が気持ちよくて、ちっちゃい女の子が頑張って強くなっていくという、わたしの好物な物語が多いです。この「雲を紡ぐ」は染織工房のおじいちゃんのところに家出した女子高生のお話。その工房が岩手にあるという設定で、

 言はで思ふぞ 言ふにまされる
  (言葉にしない事は、言葉にするよりも強い思いがある)

この句が岩手県の名称の起源の一つだというのも書かれていて、そうなのかぁと初めて知りました。岩手、行ってみたいな~、イーハトーブ~。

で、おじいちゃんが女の子に

心にもない言葉など、いくらでも言える。見た目を偽ることも、偽りを耳に流し込むことも。心とつながっている脈の速さや肌の熱は隠せない、モノだっって同じ、触ってみなさい。

て言うシーンがあって、身体状態は心の状態、というのはふむふむ、と思ったのだけれど「心にもない言葉など、いくらでも言える」というのは、そうなのか?とひっかかりました。わたし、これ、得意じゃないなぁ、と。

わたしは、自分が口にする言葉は、そのとき考えたこととか、感じたことで、そうじゃないことってうまく言えない。もちろん状況を見て、言わずにすませたり、言い方とか、言うタイミングはそれなりに選んでるけど・・・心にないことはよう言わんなぁ・・・だから世渡りが下手っぴなんだな。

相手が発する言葉を、自分がどうとらえるか、ていうのがポイントかな。なんていうか、鵜呑みにしないで相手の真意をはかる?・・・いやぁ、めんどくさい・・・あぁ、でも、意識しなくても「これなんか、胡散臭い」というのはあるな、その感覚だな、きっと。

父親が

人生の半ばを過ぎて、ときどき呆然とする。自分の人生は家のローンと子供に教育をつけるだけで終わるのかと。

と思索するのとかも。どこに価値を置くのかでとらえ方は変わるから、あぁ、これも一面だなぁと感じました。ただ、家のローンを払って、子供に教育をつける・・・すごいことだと思います。そこに、プラスアルファで自分が豊になってる感覚があればいいんだろうなぁ。


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