朝、自転車で出かけたとき、きれいなマンションが建ち並ぶあたりで、上半身裸の恰幅のいいおじぃさんが立ってて、近くに宅急便のトラックが止まってたので、なにか荷物の受け渡しとかで出てきたのかなぁ、と見て、「おぉ~、上半身ハダカはおっけーなのかぁ? まぁ、今日は暑いからなぁ」と思いながら通り過ぎまして。
そのあと、お昼ごろ、帰り道で視界のはしっこに、なにか違和感を感じて、そのまま自転車こいだんだけど・・・「いや、ちょっと待って?」・・・と振り返ったら、2車線の車道のむこう、マンション群に入る横道に、誰かが倒れている!
「え!!!」
と自転車の急ブレーキをかけて、二度見。
朝、見かけたおじぃさんが、同じ場所で倒れている!!!
まったく人通りがないわけじゃなく、反対車線だった私は、道路を渡りつつ、行き交う自転車の人に声をかけて
「ひとが、ひとがっ、たおれてますっ、た、たすけて、たすけなくちゃ・・・」
こちらもワタワタで、自分の自転車を横にとめて、スマホをだして、119をコール。
30代ぐらいの自転車の男性が止まってくれて、近くのマンションの礎石?にあった住所を見つけてくれて、それを救急の人に伝えて。
意識があるかと聞かれて、目はあいてない・・こんなとき、なんて声かけするんだ?
「もしもーし、大丈夫ですかー? もしもーし、おじさーん」
身体に触れるのはさすがに憚られるので、声かけのみ。通話しながら、倒れている人へかかわるのは難しい。
おじさん、うっすらと目をあけて、ふにゃふにゃと何か言うけれど、何言ってるかわからず・・・なんだか、木陰で昼寝してたみたいな・・・あ、これ、認知症かな・・
自転車で止まってくれた30代ぐらいの男性は、自転車から降りずに遠巻きで、救急に連絡がついたのをみて「じゃ」と去られてしまい、通りかかる人が数人いるけれど、遠巻きな感じで、心細いぞ。
そのとき一人の女性が「おじさーん、だいじょうぶー? 身体起こせるー? 骨おれてたりしない? 痛いとこあるー? おうちどこー? おうちには誰かいるー?」と一緒に対応し始めてくれて、超心強い。おっきぃ声で、ゆっくりと、はっきりと、声かけしてくれて。高齢の方の対応に慣れている感じ。
声かけしてくれる女性の横で、電話で救急の人に「目をあけて、意識はあるみたいで、でも会話にはならない」というようなことを伝えていたら「もうすぐ救急車が行きますので、手を振るなどして合図してください」と言ってくれました。
そうこうしているうちに、救急車到着。
状況をお話したら「あとは任せてください」とおっしゃってくれたので、その女性にもお礼を言って、その場を離れました。
人が倒れてるときは、救急車、ですよね? 意識があるときは警察、かな?
これ、通りかかった人が見るタイミングによっては、自転車(わたし)とおじいさんとの接触事故にみえなくもないな、と、あとから思った。自転車から降りなかった30代男性の判断もあり、かと思う。
でも、誰にも気づかれてない感じで、倒れている人がいて、まずは、そばに行ってあげなくちゃ、と、とっさに動いてしまった。状況を見て、誰かが対応している様子であれば、野次馬みたいにならないように、かかわらないように通りすぎるのもありだろうけれど・・・今回は、一人の女性が一緒に対応してくれたのが、ものすごく心強かった。
朝、見かけたときから、ずっと、どこにいるかわからずに立ってたのかなぁと思うと可哀そうでせつなくなるけれど、そこはマンションのおしゃれな植栽の木陰にはなっていて、道路上ではあるけれど、意外に、心地よいリゾート感覚で、優雅にお昼寝してた感覚だったのかなぁと思ってみたり・・その真相や、その後を知ることはきっとないだろうけれど、どうかお大事に、と思います。