なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

ジェーン・スティールの告白

図書館が再開されました。30分以内であれば在館、閲覧可能になったので、普通に本の背表紙を見て借りれる状況になってきました。ありがたい。

図書館閉鎖前からずーっと借りていたご本の1冊。

 ジェーン・スティールの告白 著:リンジー・フェイ 訳:川副智子

通りすがりに目にとまって手にしたご本だったのですが、意外に読みごたえがあって、この2カ月のあいだ、何度も読み返していました。

裕福な家の令嬢であったのが、母親が亡くなり、寮制学校に入り家庭教師になって、当時とは主が変わっている自分が育ったった屋敷に戻る、というストーリー。
東インド会社が登場するお話なので、18世紀ぐらいなのかなぁ、イギリスが舞台。

主人公が独白で自分の半生を語る形式でお話が進みます。
5人ほど人を殺します。少女時代に従兄を、寄宿学校では学校長、身を寄せることになったロンドンの家主、友人の娼婦の客、屋敷に押入った賊。

登場人物も個性豊かで、鬱の母のかわりに身の回りの世話をしてくれるメイド。寄宿学校で一緒になり、共に逃避行をとる年下の少女、東インド会社パンジャブ人、従兄を崖から突き落としたとき尋問された警察官、父の遺産を管理していた弁護士‥

子供時代から生き残るためのたくましさを身につけて、おぉ、女子、すごいぞ、がんばれ!てお話だったのが、途中からロマンス発生、読んでて、おっとっと、と躓きそうになるのですが、なかなか面白く読ませてもらいました。

「どうしたの、母さま?」わたしは優しく問いかけた。おとなになった今は、あのころよりははるかに、母の返した答えが理解できる。
「昨日があんまり長すぎただけよ」

 檻に入れられた動物は苦しみますよ。だけど、ほんとは檻なんかないのにあると思うほうがもっと苦しいんです。その違いをちゃんと説明できますか? 

彼は中指をたてるように片眉を上げられる人だった。

て、かっこいいや~ん。

「わかっているのかね、ミス・ストーン、自分は非常に変わっているということを?」
「昔からずっとそう言われています。お世辞のような軽い調子で言われたことは一度もありませんが」

 

 

 


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