今の派遣仕事には海外(外国人)のスタッフもいて、そんな方々とのやりとりは簡単な英語メールが多いんですが、みなさん優秀で、つたないながらも日本語でメール文面を書いてきてくれたりもするんです。
そんなメールのある方のフッター(署名)部分に、そぉっと書かれてくる
「わたしの態度は あなたの態度」
という文言があって、笑ってしまいました。
最強です。
ちょうど今読んでるのが
■つきあい方の科学 ~バクテリアから国際関係まで~
著:R.アクセルロッド 訳:松田裕之
というご本で、そのまんまの理論が展開されていて面白い。
訳者あとがきが1986年となっているから、今から36年前のご本。
他人と付き合いを続けていくうえで、相手に協調すべきはどんな場合で、自分本位にすべきはいつか
というのが主題。
論じる元になるのが「囚人のジレンマ」というゲームで、2人のプレーヤーが「協調」と「裏切り」という2枚のカードを持っていて、そのカードをどう使うことによって、勝てる(点数が多くなる)かという検証。
点数表はこんな感じのゲームで、
両方が「協調」だったら3点もらえて、
自分が裏切って相手が「協調」だったら5点もらえる(だしぬける)。
逆にだしぬかれたら0点、
双方ともに「裏切り」だったら2点。
これ、相手をだましたときに、ひとりで獲得できる点数が1番高いんだけれど、「場」を考えると双方が「協調」したほうが3+3=6点で、場が一番豊かになる。双方がずっと「裏切り」続けても2+2=4点と貧しくはあるけれど点数は入る。
1回っきりのゲームだったら「裏切り」で確実に点数もらうのが安全。
でも、ずーっと長くゲームするんだったら?・・・だれがどんなカードを出したかを記憶して戦略をたてる必要がある・・・
いろんな戦略を戦わせて、一番たくましかったのが「しっぺ返し」の戦略。
相手がだしたカードを次、繰り返す、というもの。自分からは裏切らない、やられたらやられた分だけ、”即座”にやり返す。相手にとってわかりやすい行動なので、相手が理解してくれて長い協調関係となるのもミソ。
こういった協同関係が結ばれるのに、友好関係はほとんど必要とされない、とか、条件さえ整えば敵対する者どうしでも協同関係は発展する、とか。
日常生活もしかり、ひたすら「協調」だけだしてても生き残れず(お人よしではあかん)、裏切りには即座に怒りを示して、「怒る」可能性があることを示しておく(シメるところはシメておく)。
進化論やら国際関係なんかもこれで論じられていて、とてもおもしろいご本でした。