なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

桁違いを考える

長い。なんせ、長かった。
823ページ。ハードカバーの本の巾が4.5cm。重いし。寝転がって読めないし。

 ピュリティ 著:ジョナサン・フランゼン 訳:岩瀬徳子

やっとこさ読み終わりました。
アメリカの国民的作家らしい。繰り返し繰り返しまどろっこしい展開で、うーーーーん。あの人とこの人が、こうで、ああで、だからここでこうなって。。時系列も入り乱れつつ、登場人物それぞれの背景物語で1冊できそうなのを、この長ぁ~い本にしてある。満腹です。途中で何度も、もういいかなぁ、読むのやめようかなぁと思いつつ、やっとこさ最後のページにたどり着きました。
奨学金の返済に四苦八苦している主人公が、実は超大企業の血筋で遺産がある、というお話。設定として、その企業ってうのがマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンに食肉を卸している企業で、食品全般の流通をまかなっているような企業。実在しそう。遺産がドルで書かれているんだけれど、桁が大きすぎて(笑)

信託はすべて株です。70%は非流動性ですが、残り30%は希望すれば会社の従業員持ち株制度で受け取ることもできます。帳簿価格はおよを10億ドル。5年の平均配当率は4.2%で、企業の名目上の価値は着実に上昇しています。単純平均でも年間4,200万ドルの現金配当を得られます。受託者の報酬はその1.5%。つまり、年間75万ドルほどが受託者に入ります。じきに100万ドルになるでしょう。株は売却できませんし、その必要もありませんから、受託者の責務は微々たるものです。通常の株主の責務と変わりません。平たく言えば、あなたは何もせずに年間100万ドルを受け取れるんです。

こんな世界もあるのねぇ。ま、小説の中でのお話ではあるけれど、宝くじなんてはした金だわ。富が少数に集中している‥‥て、こういうことなのね。資本主義だから、こんなことが起こる? 
こんな金額を見ると労働者に利益を分配、還元しろぉ!というのもわからないでもない。けれど、そういう(還元される)「しくみ」にしないことには、どちらからしても、にっちもさっちも行かないだろうなぁ。しくみを知ればそこに行きつけるんだろうか? そういったしくみは金持ちが作ってるだろうから、そもそも太刀打ちできないわね。しくみをつくる=起業かな。運も大きいよなぁ。

落語で、「お金は天下の回りものというけれどもね、その回る道は決まっているんですよ、その道筋にいないと、回ってこないものなんですよ」という一説が、よく頭をよぎります。

 


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