なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

読了本:バブルズはご機嫌ななめ

バブルズはご機嫌ななめ 著:サラ・ストロマイヤー 訳:細美遙子

軽く読めるご本を~と背表紙えらびです。

イヴァノビッチ風の文庫本。女子が大活躍。
金髪のチューブトップ、ホットパンツの美容師34歳が主人公で、苦学生だった夫を支援していたのに弁護士になったとたんに離婚されて14歳の娘がいるシングルマザー。
美容師だけでは生活が苦しく、ジャーナリストを目指す。
カルチャースクール講師の後ろ盾?で記事ネタをもらって講師の知人のイケイケカメラマンとペアで取材するとこから、盛沢山な展開。
祖母は介護施設からバスジャックして逃走、高級婦人服を試着したまま散歩‥とか、祖母の捜索に車で公園をつっきると途中で死体を轢いてしまう‥とか、現場には地域を牛耳る鉄鉱企業のTOPの泥酔した妻がいる‥とか。
登場人物がアクが強くて、展開が面白いです。

「あんたの欠点は何か知ってる?、あんたの欠点はね、臆病者だってことよ。ええ、そうよ、あんたはきっと、ボスニアのあれやチェチェンのこれから逃げてきたんでしょう。でもね、ひとつの場所にとどまっていろんな災難に直面することのほうがはるかに度胸が必要だってことも多いのよ。あんたのふるまいは臆病者みたいよっ。」

姿をくらますペアのカメラマンに主人公が放ったセリフ。

たしかに。ひとつ所(勤務先)にとどまってあれこれ対処するって、はるかに度胸がいるわね。きっと、その度胸をつけるってのが、社会人としての経験になっていくんだろうなぁ。うまかろうが、へなちょこだろうがコトに対処できるようになるってのが成長で、対処できるような人材にしていくのが、組織とか、上司によるものだと思う。もちろん、その人の素質もあるだろうけれど、知らず知らずに組織や上司に恵まれていつの間にか力がついている人と、見よう見まねで傷だらけになってコトにあたっている人とは、やはり前者の方が、ひとつ上に行ける、というか、自分が強いことを知らない強さというか。そういう環境にいくのもその人の実力、といわれればそうなのかなぁとも思うけれど、仕事とか環境って、やはり縁だよなぁ。

いや、軽~く読める本です。そこからこっちに思考が動くって、ちがうちがう。


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