なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

異邦人感を楽しむ

20代のころ、大学の卒業旅行でバックパックでヨーロッパを周って、社会人になってからも、音楽(クラシック)の勉強がしたくて何年か続けて、サマーセミナーを受講するために、夏のシーズンに、これもヨーロッパにでかけていました。

わたしは、師事したい先生がいて、その先生が参加するセミナーをあの手この手で調べてですね、海外だけでなく、日本国内でセミナーが開催されるって聞きつけたときも、はりきって関東や東海にもでかけていました。基本、ひとりでうろちょろしていたのですが、開催先では、同じ音楽を楽しむメンバーが集まっていますのでね、先々で意気投合しては わいわいと盛り上がっておりました。むちゃくちゃ楽しかった。

そういうセミナーって、ほとんどがその開催都市で、数日~数週間の滞在となるので、その間、その街にちょっと住む感じになります。
旅行というのでもない短期滞在で、住人とも違う 異邦人として目に映るもの、耳に聞こえるもの。空気や風の感じ、光の加減、空の色、匂い、肌で感じる寒暖‥。
異邦人だから感じられるいろんなこと、住んでしまうと日常になって「普通」として、おそらく意識にのぼらないあれこれが、なんだかとてもキラキラしてたんですよね。

最近はとんと海外とは縁がなく、おでかけも、ちょっとした日帰り旅行をするぐらいなんですが、ときどき、異邦人になったつもりで日常をすごしてみることがあります。
わたしには とても面白い ひとり遊びです。いわゆる「ごっこ」ですね。

「わんぱく天使 著:J.M.デ.ヴァスコンセロス」の主人公の男の子が夜中に家をパンツ一丁で忍び出てターザンごっこをして深夜の街を見知らぬものとして駆け巡って遊んだり、「トトロ」でめいちゃんが「お父さん、お花屋さんね」と言ったりしてる、あれです。

この「ひとり異邦人ごっこ」って、感覚を変える、視点を変える、ていう、大人も楽しめる遊びじゃないかなぁと。あ、みんなひとには言わないだけで、それとなくしてたりするんですかね。

で、ね、最近、きれいな朝焼けを見たい~ という熱に動かされて、わたしが今までしたことのない早朝のウォーキング&JOGが まだなんとか今日も続いているのですけどね、ふと、これまでの日常と時間帯が違うだけで、こんなにも異邦人感を楽しめるのかと、気づいたのですよ。

たしかに、同じご近所でも、夜遅くまで飲んで終電になって、駐輪場が閉まってしまって、自転車がだせずに歩きで帰ってきたときの、その同じ道の、いつも見ている家々の陰影の違いとか、街路樹のそよぎとか、追い越していくバイクの音とかの、よそよそしさ、というか、緊張感というか、違和感というか。

早朝や深夜とかの 時間帯の違いで感じられることも、ある種の異邦人感として楽しめるもんだなぁと思いました。

 


スローライフランキング